菊地則夫税理士奮闘記

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help リーダーに追加 RSS 年収100万円時代が来るって本当?

<<   作成日時 : 2007/07/09 13:11   >>

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最近新聞や雑誌で「家計の二極化構造が進む」であるとか、「所得の勝ち組・負け組」であるとかという話を良く耳にする。また「年収300万円で生活する」方法を論じた本がベストセラーになり、最近では年収100万円で生活する?ところまで来ている。
 本当にこんなに厳しい時代が来るのであろうか?確かに今や製造業の多くはアジア諸国に取って代わられ彼らの賃金は日本人のそれと比べてはるかに低い。国境という垣根を取り払われたらあっという間に年収100万円が現実的になってしまうであろう。
 まさかそんなことはないかと思うが、経済新興国で働く人を見ているとすごく活気に満ちている。今まで働きたくても満足に働く場所もなく、窮乏する生活を強いられていたのが働く場所を得て家族を養い、教育水準が上がり、冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの家電製品を手に入れる喜びを得ている様子をテレビで見ていると「昔の日本と似ているな」と思うのは私だけではないと思う。
 戦後の日本は文字通り「敗戦国」で食べるものもろくになく、経済は大混乱で通貨も実質上切り捨て、国民全員が財産没収後一斉やり直しになった時代だった。その時代背景を歌った三輪明宏氏の「ヨイトマケの歌」を聞くとその背景がグッと伝わってくる。最近桑田佳祐氏や槇原敬之氏もカバーしているので是非聞いて欲しい。歌詞は戦後の母一人の世帯でお母さんが土木作業をしながら必死に子供を育てたエピソード。「土方の汚い子供」とののしられて悔しくて泣きながら慰めてもらおうとお母さんの働くところに行く。そこで見た「子供のためならエーンヤコーラ」と歌いながら作業をする母の姿を見て涙が止まり「勉強するよ」と学校に帰る。その後大学まで出て立派なエンジニアになったがその姿を見ることなく母は死んでしまう。
 ここまで哀しいエピソードは少ないとは思うが戦後を生きた世代、その後の戦後日本を支えた世代には「敗戦国からの復帰」、「経済成長」という共通する目標があった。
 我々世代は戦中から戦後生まれの親を持ちさらにその下になる。生まれながらにして恵まれており、余程のことがない限り「食べる」のに困らない。生まれながらにして高度な文明に恵まれ働く目的は「自分らしさを発揮する」こと。毎日のように降りそそぐ「消費」の誘惑に翻弄され、「お金さえあれば」と誰もが思う。収入の高い世帯ほど支出も多く、貯蓄率はずいぶん低いようだ。「個」が大事にされすぎた弊害なのであろうか?
 相続税の仕事をしていていつも思うのは財産を残してくれた親世代の何とも「つましい」こと。何億・何十億の財産を残しているにもかかわらず日々の生活費は「300万以下」の人が多いのには驚かされる。また「子供にこんな財産があることがわかったら人生が狂う」と生前にお財布の中身を見せることをしない(相続対策をするときは困ってしまうのだが)。そんな「家長」に守られて日本の家族は安泰でいられたのかもしれない。つまり今ある財産は「家族」の財産、自分一代で無くすわけにはいかないという責任感が伝わってくる。
 戦中・戦後世代の努力により恵まれた社会を手に入れたが、それを受け継ぐ世代はより一層頑張らなければいけないと思う。「家」に守られている人は、先代が守ってくれたことに感謝し、次世代が安心して暮らせる「家」を創っていかなければならないし、「家」を失ってしまった者はまた家族が寄り添える「家」を一から創らなければならない。「個」が尊重される時代だが、所属する「家」無くしては存在し得ない。
 財産を守る側にとっては土地や金融資産をただ保有していたのでは「税」負担の増大や次世代が管理できない「負債」となってしまいでやがて失うことになりかねない。時代の動きを見て「運用」が必要となる。ただ残念ながら学校ではこれを教えてくれない。今後もこの分野で人のためになれるよう努力していきたい。
 少々話は飛躍してしまったが、結論として私の持論は:年間300万円以下の生活を嘆くことなかれ。それ以上稼ごうと思えばチャンスは必ずある。ただし目標を失った支出は自らを堕落させやがては「家」も自分「個」も滅んでしまう。確かに「消費」は素晴らしい。自尊心を高め、人生を豊かにしてくれる。ただしその果実は自分が買える以上に欲張らないこと。昔の人のようにあえて年間300万円以下の生活を「選んだ」勇気を見習おう!
 

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